平成13年12月9日(日)
参加者 谷井以下5名
生憎冬型の天気で,日本かい側は時雨模様との予報に,第1候補の「丹後半島・依遅ガ尾山」は諦めて,「淡路島・輸鶴羽山」へと行き先を変更した。前回に引き続き,どうも僕は学生時代の受験同様,第一志望とは縁が薄いらしい・・・?。
今日は,秋の行楽シーズンも終わり,スキーシーズンの到来にはまだ早いせいか,高速道路は空いていて1時間余りで明石海峡大橋を渡ることが出来た。しかし,SAでゆっくり休み,洲本の市内で昼食の魚を買い出しに時間を消費したせいか,洲本を出る頃には10時30分をまわり,結構いい時間になってしまった。この日は瀬戸内側でも,北風が強く寒かった。
洲本から由良海岸に出ると,車窓の左に展開する大阪湾は白く泡立ち,寒々とした光景だった。だが,由良の港から山を越え,紀伊水道に面した南海岸に移ると,風は止み穏やかな青空が広がって,春の海を思わせる長閑な景色に,さすが南国と一同感じ入った面持ちで,海を眺めながら車を走らせた。
途中,立川水仙峡を通過した。早咲きの水仙が所々に咲いていた。満開となる1月下旬から2月にかけての最盛期には,さぞ綺麗なことだろう。前方に沼島が見えると,左手の海に泳いでいる5・6人の集団が目が移った。よく見ると,海面にタライを浮かべて,素潜りで「鮑」か何かを取っていた。京阪神から程近いこの海で,まだこんな素朴な漁が行われているとは知らなかった。なんだか随分遠くへ来たような不思議な気分になった。
前方の沼島が大きくなってきたところで,黒岩登山口の標識が見え,車を雑貨屋の駐車場に止めさせてもらって,登山の準備にかかった。 ここから登る道は輸鶴羽山の表参道で,昔は山頂直下の輸鶴羽神社を参拝する人達に,よく利用された道だとのことだった。近年は,山頂まで車道が通じ,参道としての役目は過去のものとなって,今は輸鶴羽ダムからの道とともに,ハイキングコースとして新たな使命を担っている。谷沿いの集落から蜜柑畑を登っていくと,道の両側に「採ってください。」と言わんばかりの距離に,食べ頃の蜜柑がたわわに実っていた。●○さんが何個かをゲットしてリュックに忍ばせていたような・・・
蜜柑畑を抜けると,ウバメ樫等の暖地性樹林に覆われた密林の中を,ツヅラ折りに高度を稼いで行く。この辺の樹林は北山や六甲,比良と異なり曲がりくねっていて,鹿児島の開聞岳の樹相に似ている。やがて道は車道を横切り,輸鶴羽神社へ着いた。山中の神社としては立派な社殿を持ち,往時の繁栄が偲ばれた。神社から20分ほどで頂上に到着。展望台は360度のパノラマが広がり,四国,和歌山が指呼の間に見え,淡路島最高峰に恥じない。山頂から下った南斜面で,紀伊水道を眺めつつ,魚鍋を囲んだ。午後から曇り空であったが,雨は降らず快適に食事を堪能した。帰路は往路の半分で下山,気温が上がり水仙の開花が増し,我らの下山を迎えてくれた。水仙の最盛期には,もう一度訪れたいものだ。
帰路,明石大橋にさしかかると,すっかり陽は落ちて,吊橋のウェーブに素敵なイルミネーションが点灯され,澄んだ冬の空気にダイナミックに浮かんでいる。我らを乗せた車は,その中に入り,光の帯を渡り師走の街へと帰りました。