六甲全山縦走

2002.12.1

山田 水本 三ツ野 たくまろ

 11月30日
 明日の縦走受付は,5時と早朝なので山田隊長の事前調査によって神戸三ノ宮のカプセルホテルに泊まった。濃い〜4人が駅前繁華街から北野坂の風俗店を行くが,さすがにザックを担いだメンバーには呼びこみのお兄さんも声を掛けない。
 カプセルホテルは初めての経験だ。24時間入れる大浴場,自販機の休憩室,カプセル内は目覚し,ラジオ,テレビがある。アダルトビデオもあと300円で見られるって書いてある。でも明日は早いので就寝する。


 12月1日
 4時起床,ロッカールームで着替えていると,同じく縦走に参加する方が我々と同じく着替えていた。ホテルを出る前にロビーで「お客さんビデオを見られましたね。300円頂きます。」と言われていた者も居た。オ〜イ!
 外に出ると夜明け前だというのに若者の喚声が絶えない。夜中に寝ないでカラオケなどで盛り上がっていたのだろう。京都祇園界隈のほうが不景気に喘いでいるようだ。三ノ宮駅を4時58分の始発に乗り,山陽電鉄須磨公園駅を目指す。途中で同じ縦走参加者で客席が埋ってくる。相当数の参加者で,ランニングパンツでの参加者もいる。
 小雨のそぼ降る中受付を済ませ「さあ出発!」と気合を入れると,「一寸トイレへ。」 と・・・ ヘッドランプを就けて5時50分出発。鉢伏山への葛篭折れ階段を数珠繋ぎ状に登ると,フリース,ヤッケを着込んでいるため汗が吹き出てくる。見晴台では先行者が一息つき,衣類を脱いでいる。須磨の夜景が曇天の向うに広がる。鉢伏,旗振を通過するころ空が白み始めて来る。広葉樹林の明るい銃走路で,気持ちがいい。
 高倉団地へと下り,車道を行くと後方者から追い抜かれ始めた。我々もそんなに遅いほうではないが,参加者の健脚ぶりには驚く。中には駆け足で通りすぎる豪の者,体型的にそんなに急いで大丈夫?と思われる方もいる。
 ひよどり越駅下を通り,菊水山への登りに取付くと,急登が始まる。右手に神戸港が見え始めるが,足元の階段を見るだけで景色を寿ぐ余裕がない。9時05分汗だくで菊水山に到着。サポートのみかんが冷たくて甘い。一息ついてポートタワー,メリケンパークを眺めながらの朝食を摂る。
 


 9時30分菊水山を出発,鍋蓋山,再度山とアップダウンを繰り返して大竜寺参道でパンと紅茶のサポートを受ける。僕はトレーニング不足で,足の皮膚が湿気で柔らかくなっており,靴下の交換を行う。最近引越しなどで忙しかったからなぁ。
 市ヶ原のトイレタイムなどで,摩耶山休憩所で昼食,もう行程の半分は終了したことを励みに13時00分出発する。これからドライブウェーを延々と歩く。天候も回復して別荘地やゴルフ場の中を行く。凌雲台からは刈り込まれた美しい散策路だが下りが続き,疲労感が襲う。最高峰のサポート場へ15時17分着,暖かい野菜スープが嬉しい。
 しかし,これからゴールまで3時間かかるという。じゃあゴールは18時30分ころジャン。15時36分出発,先行者達の中にも足を引きずっているものが増えてきた。しかし,幅員が狭く追いぬき出来にくい。17時00分大谷乗越通過,木漏れ日が無くなり,ヘッドランプを点灯して歩くが,楽しくも何にも無い。やはりハイキングは好天の下が良い。
 17時54分喘ぎながらもやっとゴールする。最高峰下のサポートではコッヘルを出したら一杯の野菜スープをくれたので,今度もコッヘルを出したが,全員しゃもじ一杯のぜんざいを配られ,「柳の下にうなぎは二匹といない。」諺が身に沁みる。


 

 満足感と脱力感の交錯足取で,阪急宝塚駅に向かう途中,同僚達は「梅田で途中下車して一寸一杯!」という。私は明日は朝一から訓練で,しかも早朝出勤だっちゅうの。何とかカンニンしてもらい,直帰するが,自宅駅前で食事をして帰ったのは22時になっていた。来年はトレーニングで足の不安を拭って参加したいものだ。


   野宿と山歩き
たくまろの世界          野宿と山歩き