‘00.11.2~5
メンバー:和佐 たくまろ
11月2日の午後11:00前,和佐さんに名神山科バスストップで便乗させてもらう。(これって違法行為?)もう一人の参加者福本さんは,現地で参加するとのこと。和佐さんのトヨタビスタ「アルデオ」に乗員二人の貸切り状態で,深夜の高速を名神から中央道,長野道へと走る。飯山ICからは,登山口の渓谷小赤沢三合目へと向かう。明けはじめたワイディングロードに錦秋の山塊が流れ,感無量だ。ただし,この雨さえなければ。
3日7:10,小雨の中,長野県側登山口の小赤沢三合目駐車場に到着。3組ほどのパーティが先行する。紅葉の山道にカラフルなレインコート,ザックが消えて行く。もう一名マイカーでの参加者福本さんは,一足先に出発したようだ。
我々も8:16出発,雨で道の一部がぬかるみ状態,靴を忘れてテニスシューズで奮闘の和佐さん。早くも靴下がズクズク状態で辛そう。樹林帯最後の急登は岩肌に取付き,雨と汗とで不快指数120%だが,ほどなくブッシュとなり,ほてった首や胸に心地良い涼風を感じる。山ならではの爽快感だ。
和山分岐からは,景色が一変し天国(あまり良く知らないが)のような景色が広がる。まるで広大なゴルフ場のようで,バンカーのような池塘もいい。和佐さんによれば山スキーに人気の山らしい。こんな丘陵をスキーで歩けば何倍も楽しいことだろう。
頂上付近で福本さんに会う。距離が少ない山なので軽装で登ったとか,先に下山してもう一山登るとか言っている。待ち合わせ場所に遅れて着いたのをちょっと幸せに感じたりして。
10:30苗場山到着,食事をしながら天気の回復を待つ。和佐さんのザックからは様々なコーヒーや紅茶が出てくる,冷えた体に熱いコーヒーはありがたい。しかし,天候回復の兆しは現れず空しく下山。13:40駐車場へ到着,スパッツや靴を洗い近所のひなびた温泉に飛び込み生き返る。
明日の巻機山登山に備えて巻機山麓のキャンプ場に移動する。途中民芸レストランで手打そばを食べたが,信州通の和佐さんはちょっと不満そうに首をひねっている。私には,蕎麦の味がよく解からない,そばツユがあればたいていのそばはおいしいと思うのだが。
日も落ちた頃キャンプ場到着,車のライトを利用してテントの設営完了,ビールを飲みながら明日の山行について語る。空は満天の星空だ。
4日4:00管理人の突然の訪問,テント代催促で目を覚ます。こんな早朝からと不平を言うと,「この時間でなきゃ居なくなる。」だと。登山口直下のキャンプ場管理人は,学習効果があるようだ。
食事をすませ,登山口駐車場に着くと,福本さんの車が止まっておりもう出発したようだ。6:00我々も出発,天気は快晴,雑木には紅葉が残り,足元は落ち葉の絨毯の中を行く。
ヌクビ谷に沿って渓流を遡上する。和佐さんは実に楽しそう,私は初めての経験で緊張を強いられるが,左手に立ちはだかる天狗岩の絶景に励まされる。苦闘の末,谷は終わりイソギンチャクのような霜柱の残る急登,9:00割引岳との稜線分岐に出る。北側に越後三山の駒ケ岳を臨み,稜線を東側に巻機山へと歩を進める。
景色は芝生状のなだらかな山様に一変する。南には谷川岳,その右後方遠くに富士山も顔を覗かせる。ここでまた福本さんに会い,下山後もう一山登りたいと言っている。やはり別行動で良かったかも…
好天の山上で弁当を広げる。和佐さんは目に付く山塊を見ては解説してくれる。本当に山が好きなのだろう。こんな人と山に来ると何倍も山を楽しめ,徳をした。
10:30御機屋(おはたや)分岐から井戸尾根へと下る。途中前巻機で振り返れば,広大な巻機の山塊が光に輝き,思わずシャッターを切る。長い下りの紅葉のトンネルでは,青空のバックライトを受けたもみじ葉が中年のおっさんの心を開放してくれる。
12:40駐車場着,登山靴を脱ぐ。安堵と充実感で心地よい。
明日はフリーの状態となり,300名山の戸隠は,飯綱山を目指すことに決定。まずは温泉で一汗流すこととなった。信州通の和佐さん推薦の野沢温泉に向かう。野沢では無料公衆浴場があり,多くの観光客が湯治していた。我々も湯船の人になった後,火照った体をビールで消毒?する。もう最高!
今夜はテント泊を戸隠スキー場近くの公衆トイレ兼バス停に変更,水道,電気,暖房,トイレ付きである。戸隠の皆さんありがとうございました。
5日5:00起床,二日酔いにも負けず,登山口の戸隠スキー場へと向かう。6:13登山開始,7:14スキー場最上部の瑪瑙(めのう)山で大休止。ゲレンデの向こうに戸隠山の岩稜,その後ろに高妻山が厳めしくそびえる。
いよいよ鞍部を経て8:08飯綱山に到着,この山は独立峰で快晴の空間に南東には千曲川の長野盆地が雲海に埋まり,北には妙高の特異な山塊,西に目を移せば高妻山,さらには遠く白馬から後立山,そして槍穂の白い頂部が連なる。
登山はこんなチャンスに遭遇するから止められない。惜しみつつピストンで10:00登山口に帰る。
P.S.荷物を整理後,戸隠名物のそばを食べる。12:00開店前なのにその蕎麦屋には行列が出来ていた。私は,初めてそばが美味い(薄緑色+甘い+芳香)ということが解かった。ちょっと感動したぞ。
また,殆ど寝ずに運転してくれた和佐さん感動の3日間をありがとうございました。福本さんの健脚ぶりは少し恐いけど,いつかご一緒したいと思っています。