2002.7.4〜7.7
7月4日(木)夏風邪で咽喉が痛い。病院で喉の洗浄や飲み薬を貰っていると,12時出発となった。名神で走行しながら昼食を取る。17時頃中央高速韮崎に到着,名神京都東からの高速代が7800円で,一人ではちょっと痛いなあ。芦安では,公衆浴場が定休日で,「旅館岩国園」で温泉に入った。入湯料800円を支払い,携帯電話の充電を頼んだら併せて千円を取られた。時間がなく,充電もしたいので渋々従ったけど,足元を見るような商売はチョー不愉快だなぁ。
19時広河原到着,暮れなずむ中で夕食を取る。侘しい食事もガスランタンで憩いのひとときに変わる。僕はこんな時間がとても好きだ。
7月5日(金) 広河原(6:00)〜大樺沢〜八本歯コル(9:50)〜北岳(11:10)〜北岳山荘(12:00)〜間の岳(14:30)〜農鳥山荘(15:40)
朝は5時,登山者の乗用車の到着に目覚める。体調はまずまず朝食後,風薬を飲んで出発だ。吊橋を渡って出発しようとすると,熊に注意の看板があった。このコースは登山者も多く,熊も難儀なことだろう。
大樺沢の雪渓は先行者の踏み跡が少なく,傾斜が強い。アイゼンがないためよく滑るが,ストックのおかげで何とかスリップッせずに高度を稼ぐ。
八本歯のコルが見えてくる。北岳のバットレスが近づいて来る,振り返ると鳳凰三山の石灰岩の岩肌が顔を出してくる。
左には八ヶ岳も顔を出す。雪渓を抜けて,梯子の急登ではバットレスを右に見て,キバナシャクナゲ,コイワカガミなどが励ましてくれるが,汗が吹き出ることにはなんら変わりはない。
八本歯のコルに到着,間の岳のボリュームのある山塊と残雪のダイナミックな調和に,南アルプスの大きさに圧倒される。そして足元には可憐なハクサンイチゲが風に揺れる。
さらに高度を上げて振り返ると,富士山が雲の上に顔を出す。「あーたまーを,くーもーの,うーえにーだーしー・・・」と思わず口ずさむ♪ トラバース道から分かれ,北岳への登りを行くとキタダケソウを発見。やや最盛期は過ぎているようだが,やはりこの山にしかない花に会えてうれしいなぁ。
北岳南側斜面では,ハクサンイチゲのお花畑が見られ,その後方のは千丈岳が高い。
北岳山荘で軽食,明日の天気が良くないようなので農鳥小屋まで行くことにする。縦走路は風が強く,間の岳までの道程が遠い。こんな環境の中で,足元にはミヤマキンバイ,ハイマツのなかにシャクナゲが咲き競う。
やっと間ノ岳到着,曇天のため日焼け止めをええかげんに塗っていたが,一時の日光直射に後日顔面がエライことになった。農鳥の右には塩見岳,その後方には赤石岳と三千メートルの山塊が浮かぶ。南アルプスは大きいな。
素足になってパノラマを楽しんだ。
農鳥山荘では,宿泊客は私と若者(男性)の二人だけ。キャンプ場からは富士山が正面に見える最高のロケーションなのにこれでは山荘主人もやんなっちゃうだろうなぁ。
7月6日(土) 農鳥小屋(5:00)〜北?農鳥(5:35)〜農鳥岳(5:50)〜農鳥小屋(6:10)〜北岳山荘(9:20)〜八本歯コル(10:30)〜広河原(13:00)〜駒ヶ根高原(17:00)
深夜,突風でテントの支えが飛ばされる。体重の増加も悪いことばかりではない。展張ロープの補強をする。時間は4時,温度は10度。白みかけ始めた空に富士の黒影がうっすら浮かぶ。
山荘主人によると,「今日は早く行動したほうがいい。」とのこと。ザックをデポして農鳥に向かう。風が大変強い。しかし,ガスは出ておらず常時富士を見ながらのパノラマ縦走で,北アルプスの特徴のある山々が雲上に並んでいる。農鳥岳から振り返ると間ノ岳の巨塊,北岳の鋭鋒が素晴らしい。
農鳥小屋から北岳山荘への縦走路では,曇天のせいか雷鳥も顔を出す。雨が近いのかもしれない。前方には北岳と
甲斐駒の勇姿が見え,右手には鳳凰三山が平行する。この強風の中に足下にはハクサンイチゲの群生が咲き誇っている。
北岳山荘からトラバース道には,キタダケソウが多く見られる。
キタダケソウの群生も見られるが,ピークは過ぎたようだ。八本歯のコルでは,クロユリも見られる。
広河原からは,まず芦安の公衆温泉で体を癒す。携帯充電も心安く引き受けていただいた。しかし,顔や腕の日焼けが激しくて湯温がかなり高く感じる。やはり曇りでも日焼け止めは手抜きをしてはいけない。
今夜は,駒ヶ根高原の駒が池の辺で夕食とする。この場所は,良く使うなぁ。夏涼しくて,景色が良く,トイレもあり交通量も少なく申し分がない。本日の山行は,雨に遭うこともなく,無事下山を寿ぎながらの麦酒は堪えられない味がする。
7月7日(日) 駒ヶ根高原(1:00)〜自宅(10:00)
深夜に出発して,ほとんど高速に乗らずに国道を走る一人の山行は一寸しんどいが,僕は余り苦にならない。夜が白み始めた頃琵琶湖牧キャンプ場の駐車場で仮眠,駐車場にヤマモモがなっており,久しぶりに甘酸っぱい実を食べたなあ。