04.7.29〜31
昨年も台風で,断念した山にやって来た。今年も台風が来たが,日本海寄りは少し風があるものの大丈夫のようだった。
7月29日(木)11:00出発。昼食後,睡眠不足で眠くなる。米原ICから東海北陸道関ICへと高速道に乗って,17:30奥飛騨温泉郷に到着。栃尾温泉で志納200円の公衆温泉で汗を流す。ここは蒲田川沿いの露天風呂で,開放的で奥飛騨に来たなぁと実感する。駐車場では車中泊の車が多い。石川県から来たというおじさんが,焼岳に登ってきたと言っている。中高年は台風も吹き飛ばすパワーがある。
新穂高温泉の駐車場に移動して,夕食を取
る。高山のスーパーで仕入れた夕食だが,箸を持ってくるのを忘れた。フォークで食べる刺身はチョット味気ない。夕焼けがビールのあてだ。今回は急いで家を出たので,忘れ物がおおかったなあ。
7月30日(金)5:00起床,もう登山者がドンドンと新穂高バスターミナルへと向かう。荷物を整理して5:40から出発。バスターミナルには大勢の登山者が屯している。工事用道を上流へと進むと,荒々し
い穴毛谷の絶壁が見えてくる。この谷は女性のシンボルから着けられたというが,今ならこんなネーミングを付けたら女性にぶっ飛ばされるだろう。 6:40笠新道分岐でおにぎりの朝食,以前はここに水が出ていたのに,枯れている。わさび平まで水補給に行くのも億劫で,仕方なく残水量1,5リットルで出発するが,これが失敗だった。ブナ林の急登だがこれが長い。暑い。3時間も登り続けて9:50やっと杓子平に出た。涼風が気持ちよく,目指す笠ヶ岳山荘の高いことだろう。もう水の残量は0,4リットルとなってしまった。空腹を感じるが,行動食のビスケットは喉が渇きそうで食べる気にならない。
水がほしいと思うと,パノラマの登山道も楽しさ半減,以前もこんな失敗したことがあったのに,情けないなあ。ペースを落として省エネルギーで歩く。しかし,幸運なことに登山道の穴毛谷の延長上になんと,地図にも載っていない谷水が流れているではないか。どんな高山植物のお花畑より,命の水が有り難いと実感した。ビスケットの東鳩オールレーズンが美味い。水が美味い。復活した〜
11:20稜線の縦走路と合流,肝心の槍穂頂部はガスと逆光でほとんど見えないが,北には黒部五郎,その右後ろに薬師岳が端正な容姿を見せている。少し風が強い中,アップダウンを繰り返して12:10山荘に到着。
ザックを置いて,笠山頂へ登る。山荘は大笠と小笠の間に設けられた小奇麗な建物で,よく景色に溶け込んでいる。この山も西穂高のように,瓦のスクラップを積み上げたような,荒々しい岩塊を呈している。東側に谷を挟んで槍穂が雲間に見え隠れする。焼岳,西穂から奥穂への縦走路には鋸のように,赤石,間ノ岳,天狗岩,ジャンダルムやロバの耳といった,すざましい縦走路が続く。神戸のOさんは,来週にここを縦走するようだけど,羨ましいなぁ。
時たま槍がガスの合間に顔を出すが,笠から見る槍は異様に鋭い。双六岳の大きな山容の右後ろに端正な鷲羽岳が見える。遠く立山も霞んで見え,黒部五郎小屋の後ろに雲の平
山荘まで見られる。やはり北アルプスはいい!
山荘で,750円のビールを2本飲んで,500円のテントを張る。今日は風が強そうなので支線を展張,耐風仕様とするが,夜半の風音はうるさかった。14:30夕食?のカレーライスで,ザックを軽くする。18:30就寝。
31日(土)4:30起床,槍穂はほとんどガスの中で,ご来迎は見ることが出来なかった。笠のモルゲンロードも見られない。仕方がない,西日本では台風一過で,大変なんだと納得する。食事後テントも収納,5:50出発,縦走路はアップダウンはあるものの,とても気持ちの良いコースだ。6:40笠新道分岐を過ぎ,荷物をデポして抜戸岳に登る。踏み後が少なく,三角点が分かりにくいが,登る人も少ないのか静かで好い場所だ。
秩父平から急登で大ノマ岳に立つ。この縦走路は,人気の百名山というのに登山客が少なく実にいい山である。ここから急降下して,鞍部で軽食とTシャツ,半パンの軽装モードで,最後の登りの弓折岳へ登り返す。9:
10.双六岳の山容が大きい。いつかは双六から雲の平に行きたいもんだ。
これからは下る一方で,途中で雷鳥の親子に会って,9:40鏡平。穂高の池の倒影も素晴らしいが,雲がなければもっといいのに・・・ シシウドヶ原から多数のパーティが登って来てスムーズな離合が出来にくくなった。ここからは谷道で,景色も見えなくなって,ついつい一人だと飛ばしてしまい,わさび平小屋でインスタントラーメンで,昼食して12:10出発,13:00バスターミナル到着。少し飛ばして下山したのが悪かったのか,しっかりと足の親指に皮下血種が出来てしまった。
新穂高温泉のバスターミナル前の公衆浴場
で汗を流してリフレッシュ,槍見温泉付近まで降りてくると,なんと槍の穂先が見えているではないか。今日は昼から降水確率50%といっていたのに,山の天気は解らない。
帰宅途上高山で夕食材を購入し,せせらぎ街道のワイディングロードを愉しみ,道の駅「明宝」で車中泊をする。この道の駅は昨年も笠ヶ岳を前に,台風のため撤退して虚しく雨の中で夕食を取った場所だ。今日はベンチから渓流の眺めもよく,日焼けした体にビールも美味い!しかし,蚊もいるぞ。服を着替えて,蚊対策を万全にして,ランタンも点灯して,今回の山行を振り返る愉しい一時だ。
3:30起床,顔を洗い出発。僕は漆黒から白みゆく国道を走るのが好きだ。郡上八幡から156号線に入り,関市付近で夜が白み始める。今日は土曜日,通勤渋滞に巻き込まれることもなく,7:10無事に帰宅する。
徘徊中に出会った花