7月9日〜10日
9日(金)この時期に大峰山脈では,オオヤマレンゲが咲いているという。いい機会だし,ぜひ見たいと勢いで車を走らせたが,天気はあんまり良くないようだ。でも山の天気は解らない。
正午過ぎに自宅を出発,下市で夕食材料を購入,駐車場へ戻ると夕立が降っている。少し憂鬱な気持ちで,車を走らせる。国道305号
線から川迫川渓谷の隘路を縫って行者還トンネル西口駐車場の登山口に到着,もう5時過ぎだが3台の駐車があった。こんな天気でも百名山は人気があるんだなぁ。
林道を166号線に下りて,道の駅「吉野路上北山」で車中泊をする。この道の駅は温泉も隣接していて,露天風呂でさっぱりと汗を流し楽しみの夕食とする。一人だとテーブルを出すのも邪魔くさくて,ハッチバックドアを利用して,簡易屋根付き晩餐会を開催する。この道の駅は国道を挟んで西側高台にも第二駐車場があって,道の駅としては閑静な環境であり,涼風が心地よく,車中泊ファンにはお勧めの道の駅である。
10日(土)6:30起床,夜半に幾度か雨音に目が
覚めたが,路上は濡れていない。登山口に向かうが,今にも雨が来そうな雲行きである。しかし,行者還トンネル西口駐車場には多数の駐車車両があり,柔軟体操を行うパーティもある。ここからは八経ヶ岳へ最短距離で登れるが,決して楽な行程ではない。中高年の登山ブームは本物だ。
8:10駐車場出発。かわいい釣橋を渡って,ひたすらアルバイト,8:55奥駆道縦走路へ合流,ここでついに降雨となる。僕はザックの他にウエストバックを装着して,水,カメラ,時計など小物を入れて登っているが,防水機能がなく,ザックに入れて時計をザックウエストバンドに着けて歩くことにする。時計は高度計,温度計を見たいから腕から離している。
しかし,雨が上がると暑いためすぐレインコートを脱ぐ。この時ザックのウエストバンドを外したことで,長年親しんだ愛用のカシオプロトレックを落としてしまったようだ。いつもと違う行動をとると,人間は間違える。僕がドンクサイだけかも。
湿ったブナ樹林帯の木漏れ日の中に,郭公の鳴き声がこだまする。弁天の森から聖宝宿跡付近は,よく踏まれた快適な縦走コースで,以前縦走中に素足の修験者と出会って驚いたことがあったなあ。
階段の急登で一汗かくと,ディーゼル発電機音が聞こえて弥山小屋へ到着,一息ついて国見八方覗の草原を散策する。以前にこの場所でキャンプしたことがあるが,大高山脈が
遠望できる絶好のロケーションで,ご来迎は素晴らしく今も忘れられない光景だが,今日の天気では望むべきもない。
初めて見るオオヤマレンゲの群生に感激して,10:45八経ヶ岳到着,弥山小屋の特徴のある建物が良く見える
。弥山山頂のトウヒやシラベの樹林帯は,大台ケ原のように鹿害によるものか倒木が多く荒れていた。南には前鬼に続く奥駆道の縦走路が延びている。依然訪れたときには,錫杖があったようだが今はない。
弥山へ戻り,天河奥宮に参拝して下山する。奥駆道との分岐付近で時計を捜索するが,やはり無い!
雨模様のせいか,蝦蟇蛙がよく出現する。雨が嬉しいのか,結構活発に動いている。しかし傷心の僕は,虚しく山を下りて,12:50トンネル西口の駐車場へ着いた。多くのパーティが登っていく。洞川温泉にもう一泊(車中泊)して,稲村ヶ岳へ登る計画もあったが,プロトレックのショックでこのまま家路に向かうこことした。
オオヤマレンゲのスライドショー